
最近 物忘れ が多いかも?
年齢のせいにしないで
早めに受診 を
物忘れの原因は認知症だけではありません
早期発見・早期治療
物忘れの症状で最も多いのは認知症になりますが、物忘れの原因は認知症だけではありません。
物忘れと認知症の違いは、単なる物忘れなのか、体験そのものを忘れてしまった、行動や出来事、約束などを後から思い出せるかどうかが判断基準になります。
軽度な物忘れが続く場合は、認知症の前段階である「軽度認知障害」の場合もあり、注意が必要です。その他にも「うつ」などの精神疾患や甲状腺機能などの内科疾患なども物忘れの原因となり、高齢者だけでなく、幅広い年齢層の方に起こる可能性があります。
大切なことは早期発見・早期治療です。
少しでも「おかしいな」と感じたら早めの受診をおすすめします。

こんな症状が気になったら早めにご相談ください

ちょっとした物忘れが気になり始めた
言葉が出てこず「あれ」「これ」と言うことが多くなった
新しいことがなかなか覚えられなくなった
同じことを何回も話したり、尋ねたりする
以前はよくできていた料理や買い物に手間取る
物の置き忘れが増え、よく探し物をする
認知症の主な疾患
アルツハイマー型認知症
アミロイドβというタンパク質が脳に蓄積することで神経細胞を壊し、脳の一部が萎縮することで発生します。
主な症状
アミロイドβというタンパク質が脳に蓄積することで神経細胞を壊し、脳の一部が萎縮することで発生します。
記憶障害や実行機能障害、判断能力の低下といった症状がみられるようになります。
治療方法
症状の進行は緩やかですが、根本的な治療法はまだなく、投薬やリハビリによって、できるだけ進行を遅らせる治療を行います。
レビー小体型認知症
たんぱく質の塊であるレビー小体という物質が大脳皮質に溜まると神経細胞が徐々に減少し、症状が現れます。
主な症状
記憶障害のほか、繰り返し出現する幻視やパーキンソン病のような症状の他に、睡眠時の異常行動や異常な発汗、だるさなどの自律神経症状など、さまざまな症状が出現します。記憶障害もみられますが初期の うちは目立ちません。
治療方法
現状では、そのものを治す治療はないため、症状に対する薬を使用して効果をみていきます。
薬物治療の他に、本人の気持ちに配慮したケア、部屋の明るさを一定に保つなど症状に合わせた環境調整や、急な声掛けをして驚かせない、室内の段差をなくすなど転倒・骨折予防も大切です。
血管性認知症
アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。
脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など、いわゆる脳卒中(脳の血管障害)にともなって引き起こされ ます。
主な症状
血管障害が起こった部位に応じてさまざまな症状が生じます。
もの忘れのほか、見当識障害や実行機能障害など、アルツハイマー型認知症などでもみられる症状が生じます。パーキンソン症状や歩行障害、嚥下障害、排尿障害などの身体的な症状に加え、抑うつや感情失禁などが起こることもあります。
脳血管障害が起こるたびに、認知機能が階段状に低下していくのが特徴です。
治療方法
現状では、そのものを治す治療はないため、症状に対する薬を使用して効果をみていきます。
薬物治療の他に、本人の気持ちに配慮したケア、部屋の明るさを一定に保つなど症状に合わせた環境調整や、急な声掛けをして驚かせない、室内の段差をなくすなど転倒・骨折予防も大切です。
前頭側頭型認知症
アルツハイマー病が脳の海馬と呼ばれる部分から萎縮していくのに対し、前頭側頭型認知症は脳の前頭葉や側頭葉と呼ばれる場所に萎縮が起こり発症する認知症です。
認知症の中では比較的年齢の低い40代から60代の方に発症することが多く、初期のうちはもの忘れも目立たないため、認知症以外の別の精神疾患と診断されてしまうことも少なくありません。
主な症状
思考や理性、社会性などに関わる前頭葉と知識や記憶、感情などを司る側頭葉が障害され、ほかの認知症ではあまりみられないさまざまな症状が現れます。
「毎日同じ行動を繰り返す」「周囲の目や環境を気にしない自分本位の行動がみられる」「過食や偏食が起こる」といった変化が症状として起こります。
治療方法
症状を改善したり、進行を遅らせたりする薬はなく、基本的には生活環境の調整などを行っていくことになります。
非常識な行動や暴力などがあまりにひどい場合は一時的な入院も選択肢となることがあります。
その他治療が可能な認知症
認知症が疑われる患者さんのなかで、原因となる病気を治療すれば治る、あるいは軽減するケースがあります。
うつ病、抗うつ症状
甲状腺機能低下症
脳腫瘍
一過性全健忘
慢性硬膜下血腫
薬剤の副作用 など
検査診断の流れ
1 診察
家族・周囲の人たちからのヒアリング
日常生活をよく知るご家族も一緒に受診することをおすすめします。
患者さんへの問診・診察
専門医が認知症かどうか、その他病気ではないかを総合的に診断いたします。

2 検査
認知機能検査
日時や場所、人間関係などについて、記憶力や認 識力などを確認する検査をします。点数によって認知症の疑いがあるかどうかや、認知症の重症度などを診断することが可能です。
CT検査

認知症かどうか、その他病気ではないかを総合的に診断いたします。
その他にも、血液検査、尿検査、心電図、心理検査、MRI検査、脳血流SPECT検査 等の検査を実施します。
3 診断・治療開始
検査結果、今後の治療方針についてご説明します。
検査結果などは、時間をかけてご家族にお話しいたします。
病態の説明後、治療方針を確定し、かかりつけ医など連携しながら適切な医療を受けられるように対応いたします。

